「存在していないとはいえない」(?) 自律型致死兵器システム(LAWS:Lethal Autonomous Weapon Systems)
終戦記念日を迎えた8月15日、先の大戦で多くの親戚が南方の戦地等で犠牲になったと母方の曾祖父母や祖母等から聞いたことを思い出しました。母の実家には、明治時代からの先祖の写真が広間に掲げられていて、その中に戦死した人たちの写真も掲げられていました。「平和な時代」に生まれたありがたさをあらためて感じています。
さて、今日(8月18日)の日本経済新聞の社説「自律型の殺人兵器に規制を」という記事を読みました。私は殺人ロボット、自律型致死兵器システム(LAWS:Lethal Autonomous Weapon Systems)の登場までには、あと20年くらいはかかると思っていましたが、この社説をみて、また、今の人工知能(AI:Artificial Intelligence)や情報通信技術(ICT:Information and Communication Technology)の発達のスピードの速さを考えると、意外と早く実現されてしまうかもしれないと不安を感じました。
LAWSが完成し配備・拡散されると、「銃の発明」「核兵器の開発」に続く、軍事・戦争における第3の革命(RMA:Revolution in Military Affairs)になるといわれています。もちろん、世界中から兵器がなくなることが理想ですが、現実にはほど遠いものがあります。AIは自分でDeep Learning(深層学習:膨大なデータから機械が自動的にその特徴を抽出すること)をするため、どう発達するか見当がつかないと心配されています。人間による介在がなく、機械自身が「高度な自律性」をもち、無差別攻撃をしたり、人間の知らないところで攻撃を始めて紛争をエスカレートさせ、戦争のリスクを高める危険があるといわれています。また、LAWSがハッキングに遭うことも心配されています。さらには、LAWSが大量破壊兵器になる可能性も持っていると危惧されています。
いまだ完成していない兵器であるLAWSを規制することは非常に難しい問題ですが、今年、このLAWSの規制論議が国連で大詰めを迎えつつあるようです。LAWSにも国際人道法やその他の国際法が適用され、人間による指揮統制の範囲内に置かれるべきであると考えられているようです。また、LAWS反対の理由として倫理上の問題があり、機械に人間の生死を決定させることで人間の尊厳が貶められると考えられ、標的決定の時など「有意な人間の関与」を確保させるための条約が必要ともいわれております。
私自身には何が出来るわけではありませんが、あらためて、世界が平和と安定の時代になるように、身近で小さいことからコツコツと、皆が明るい未来に向かって生きることができるように「住みやすい街づくり」のお手伝いを続けていきたいと思います。
戦争の温床となる貧困や人権侵害をなくすことも不可欠です。そのために、「持続可能な開発目標SDGs」の達成に微力でも全力を尽くしていきたいものです。(^_-)-☆