ei-san’s blog ー Working Better with Age ー 誰もが生涯活躍の人生を

このBLOGの目的は、「生涯活躍のまち、茅ケ崎つくり、SDGs の実現」のための調査・研究と活動に役立つと考えられる情報を紹介・記録するものです。    具体的には次の3つです。(1)誰もが暮らしやすい茅ケ崎市の実現に関係する情報、(2)誰もが生き甲斐を持ち続けることが可能な茅ケ崎市の実現に関係する情報、(3)多世代の人々が活発に交流することが可能な茅ケ崎市の実現に関係する情報。

もっと子育ては周囲に頼っていい。必ずある相談先、半径1km~1.5km圏内に。育児はパートナー二人が「担う」

「ワンオペ育児」という社会的課題を初めて知りました。夫婦所帯の37.2%がいわゆる共稼ぎ所帯というなか、一人で育児を担うことはとても大変です。一方のパートナーが育児を「手伝う」や「家庭サービス」ではなく、パートナーが二人で育児を「担う」のでなければと、(反省しながら)つくづく思いました。

 記事にある『「西宮で迎える産前・産後」調査報告書 ~「みんなで助け合う子育て」実現への道しるべ~』のなかでは、以下のような説明があります。

 

 今から 50 年ほど前までは、家族 3 世代同居など当たり前のことで、祖母から母、母から娘へとその場で手取り足取り教える、そのような実践的な子育ての知識に溢れていた。「女性は子育てができるもの」というのはそういう環境があってこそのものだった。

 しかし、昭和 30 年代ごろの高度経済成長期に、産業構造の大きな変化に伴い、都市化が進み、団地の台頭とともに核家族化がはじまり、企業戦士の夫を家で支える専業主婦が普通のこととなってきた。まだ地域コミュニティの名残があったその頃は、ご近所の同世代の母親たちが、助け合って子育てをするという習慣も残っていた。

 今、家族 3 世代同居での子育てや地域コミュニティが消滅し、また女性にとって専業主婦以外の選択肢が開かれた時代になった。一方、社会と価値観の変化に伴い生活スタイルも大きく変わり、個人の消費を基盤としたものになったのに、高度経済成長時代以来の「子育ては母親がするもの」という考え方だけが残り、子育てを母親だけが抱える「ワンオペ育児(孤育て)」の時代となった。

 父親は、家事、育児にそれなりに家事・育児に参加することがようやく端緒についた ― 父親が家事・育児の「一端を補助する」という表現の方が適切(週末に家事を手伝い、ウィークデーはゴミ出しをし、子どもをお風呂に入れたりすること)。育った家庭環境、受けた教育、社会から期待される従来の父親像が大きく影響している父親が、家事・育児を「主体的に行う」ようになるには、家事の担い手としての「訓練・経験」の機会が必要とも述べられている。

  さらには、朝早く出勤し、夜遅く帰宅するというのが恒常化しているような夫の働き方、あるいは働かされ方も、夫の家事・育児への参加を左右する大きな要素の一つとして、夫と分担すべき家事・育児の現状の背景にはこういう状況があることも理解しておく必要があるとも。

 そして、この調査で現在の子育て中の夫婦には、身近に「助け合える環境」がないことが分かったとある。助けてくれる人さえおらず、孤独に子育てを行っている。誰かを「助ける」ことも、誰かに「助けを求める」方法もわからず、今このとき「助けを必要としている」という女性たちの声なき声をたくさん聞き、彼女たちに「助け合う子育て」を求めるということはさらなる負担を与えかねないということも指摘。 

 出産後、ベビーカーを押しながら、徒歩で気軽に移動ができる距離が自宅から片道で 1 km以内、0 歳から 3 歳くらいまでは、半径 1km~1.5km以内の距離が非常に大事な距離であることが明らかになった。また、個別インタビューを通して、フルタイムで就業し、初産の方がこの圏内でのつながりが非常に希薄なことも明らかになった。産前から半径1km~1.5km以内のつながりを作る機会は非常に限られているのが実態。産後の育児・家事、それ以外の仕事に追われている方が大部分を占める現状で、産後すぐに半径 1km~1.5km圏内でのつながりを新たに作るエネルギーがないことは明白。

 ならば産前の方たちや 0 から 3 歳までの子どもがいる方たちへの支援が、彼女/彼たちの「自宅から半径 1.5km以内の距離で実現できるような仕組み」づくりが、産前から必要ということが明確な課題。

 また、サポートを必要とする多くの人が、行政・民間が提供する公的なサポートを求めることを躊躇している現状も明らかになった。それには様々な要因が考えられるが、提供する側は「利用するのを躊躇してしまう」人が、いかに精神的負担なく、気軽に使えるようにできるにはどうしたらいいか、もうひと工夫したアピールをしていく必要がある。

そして同報告書では最後に、

 出産をし、子育てをする家族が快適に暮らせるよう、行政も民間も様々なサービスを提供している。ただ、それらサービスも利用されなければ、無いのも同然なので、もっと利用してもらえる、もっと使い勝手のいいものにする、そしてそのようなサービスが「利用者の生活圏にある」、そんな状態を作り上げるためには、提供者である行政も民間企業・団体もさらなる工夫が必要だし、利用者が自らサポートを受けいれることができるように、「社会の意識や環境を変化させる働きかけ」が必要。 

#ワンオペ育児 #孤育て #共同保育 #産前・産後 #地域コミュニティ 

www.gifu-np.co.jp

ワンオペ育児(孤育て)

配偶者の単身赴任など、何らかの理由で1人で仕事、家事、育児の全てをこなさなければならない状態を指す言葉。母親1人を指す場合がほとんどで、「ワンオペ育児ママ」という派生語もある。「ワンオペ」とは「ワンオペレーション」の略で、コンビニエンスストアや飲食店で行われていた1人勤務のこと。1人で全てをこなす過酷な状況から、それを行っていた企業がブラック企業だとして社会問題となった。こうしたブラック企業の「1人で全てをこなす」状況と近いことからネットを中心にこの言葉が使用されるようになった。(知恵蔵mini より)

◆育児中の親へのメッセージ満載のリーフレット「あなたのための報告書」(A3判 2ページ)

http://muranomirai.org/murawp/wp-content/uploads/2018/12/alittle_0523_v6.pdf

近くに頼れる人はいますか? 1人でがんばりすぎていませんか?

半径1.5 kmという距離はあなたのための距離です。

子育てで不安になるのは当たり前。だからこそ、サポートを受けて欲しいです。

ぜひ行政機関やサポート団体を活用してください。話をするだけでも構いません。適切なケアやサポートを受けることも時には必要だと思います。もうだめ、と思う前に誰かに話ができるようにサポートを受けることが、当たり前になる社会になって欲しいです。

半径1.5kmはあなたのための距離。そう思ったのには理由があります。

半径1.5kmという、普段着でちょっと出かけられる距離にいる人とつながること。この距離に、家事や育児がもっともっと楽になるコツがあると思います。

「担う」と「手伝う」の違いをパートナーと考えてみてはいかがでしょう。

家事や育児を夫婦で担うことが必要です。夫婦で抱えきれないときや、どちらか一方に負担がかかっているときはご近所に頼ったり、行政やそのほかのサポートを利用することも夫婦で考えてみてください。

半径1.5 km内に、頼れる人がいると子育てはもっと楽しくなります。

半径1.5km内に頼れる人が多い人たちの話を聞くと、相談機関やサポート団体を活用していると答えていました。産後だけではなく、子どもが大きくなってからもサポートは必要です。ぜひ「西宮市内の相談先一覧」をご覧になって、あなたに合ったサポートを探してみてください。

として、困った時、ちょっとしんどい時に。あなたの近くに相談できるところがたくさんあります。として、市民活動団体含め、西宮市内の相談先を挙げています。

 

◆調査報告書「西宮で迎える産前・産後」(PDF A4判 62ページ)

http://muranomirai.org/murawp/wp-content/uploads/2018/12/d827e2cf2a7aa69ec5ae14d2cf56a8b3.pdf

 ◆平成27年版厚生労働白書 - 人口減少社会を考える -

図表1-3-66 「夫婦のいる世帯」に占める共働き世帯と夫が雇用者で妻が無業者の世帯の割合

図表1-3-66 「夫婦のいる世帯」に占める共働き世帯と夫が雇用者で妻が無業者の世帯の割合
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