ei-san’s blog ー Working Better with Age ー 誰もが生涯活躍の人生を

このBLOGの目的は、「生涯活躍のまち、茅ケ崎つくり、SDGs の実現」のための調査・研究と活動に役立つと考えられる情報を紹介・記録するものです。    具体的には次の3つです。(1)誰もが暮らしやすい茅ケ崎市の実現に関係する情報、(2)誰もが生き甲斐を持ち続けることが可能な茅ケ崎市の実現に関係する情報、(3)多世代の人々が活発に交流することが可能な茅ケ崎市の実現に関係する情報。

健康寿命を延ばす(茅ケ崎市 2018年度現代的課題講座 2月 第1講)

2月9日から3回シリーズで始まった「2018年度現代的課題講座 暮らしやすい日本を目指して」の第1講目に参加しました。

人生100年時代の課題と解決策、働き方改革健康寿命を延ばす秘訣などについて学び、もっと健康で充実した日々の過ごし方を考える機会にさせていただきたいと思います。

日時:2月9日(土) 、2月16日(土) 、2月23日(土) いずれも14時~16時 

場所:茅ケ崎市役所 本庁舎4階会議室1

第1講は、新井康通先生(医博・慶應義塾大学医学部 百寿総合研究センター総合診療科 講師)による『健康寿命を延ばす』という講座。

長寿者の細胞データから老化のメカニズムや病気の耐性など長生きの秘訣を研究し続けている老年内科研究者等の最新の研究成果をもとに、健康寿命を延ばす秘訣を新井先生

はとてもわかりやすく講義してくださいました。

※当日は撮影・録音が禁止されていましたので、講義の概略をテキストでお伝えいたします。
※講義が終わって役所を出ると雪が舞っていました。(^_-)-☆

1.百寿者(100歳以上)、超百寿者(105歳以上)、スーパーセンチナリアン(110歳以上)

  研究の紹介

  ・健康長寿への「道」は一つではない― 遺伝、環境・生活習慣、病気・生活機能(身の回り)、社会サポート(家族・地域から)、性格・心理(前向き・開放的)

  ・百寿者(61,763名)、超百寿者(3,916名)、スーパーセンチナリアン(146名) ;総人口1億27百万名(2015年国勢調査)

 

2.百寿者の医学的特徴:動脈硬化と糖尿病

  ・「人は血管とともに老いる」ので、動脈硬化の予防が必要 ― 全身循環システムの正常維持(喫煙しない・糖尿病予防、肥満予防) ― 百寿者の血管は20歳以上若い

 

3.超百寿者の医学的特徴:「フレイルと認知症」がない

  ・元気度高い(日常生活を自分で出来る ADL)+認知機能正常(認知障害CDR)+栄養良好(栄養状態 ALB) → フレイル(“虚弱”-身体活動度低下、筋力低下(やせ)、動作の緩慢、疲れやすさ、予期しない体重減少(3カ月で体重の5%以上)-)にならない+ 認知症 (食欲低下、嚥下障害、うつ・意欲低下など) にならない → 見た目・行動ともに若い

  ・フレイルの5つの兆候のうち、3つ以上 → フレイル

  ・フレイルの発症メカニズム-慢性炎症、免疫老化、体内蓄積老化細胞の増加、腸内細菌のアンバランス化、心臓・血管の老化、ホルモンバランスの悪化、

酸化ストレス(活性酸素フリーラジカル)の増加、偏った食事摂取、身体活動の低下、環境要因など

  ・健康長寿の秘訣:重要臓器の老化を遅くすること-循環器系(生活習慣・食事・運動で動脈硬化防止・心不全予防)、中枢神経系(アタマを使い、地域社会とつながり認知症予防)、筋・骨格系(日常活動・運動などでフレイル予防、骨折予防)

   ※安全に”炎症”を抑える方法は研究中

 

4.百寿者の幸せ感と性格

  ・百寿者は、病気に罹っていても機能が、悪くても「幸福感(精神満足度)」が高い cf. 老年的超越現象

  ・百寿者の性格-女性:誠実性↑、外向性↑、開放性↑、男性:開放性↑、共通:ポジティブ・シンキング PT(人生に対して前向きな考え方)+外交的

   PTの例-今の生活に満足、子供がよく面倒を見てくれる、孫もすくすく育っている、子供の時は子供の楽しさがあり今は年寄りの楽しさがある、

寿命は神様が決めてくれ自分では決められない、悲しいコト辛いコトは神様が引き受けてくれるので辛くない、…など

  ・性格と遺伝子の関係は、今後の研究課題

 

5.健康長寿と生活習慣

  ・好き嫌いない食事-赤血球中の脂肪酸 (EPADHA) 量が多い → 「痴ほう」になりにくい

  ・バランスの悪い食事(主食・主菜中心の食事) → 咬合力が低下 cf.バランス良い食事=副菜・主菜中心の食事

  ・長寿者-散歩や体操など軽い運動(1日30分以上週7日)を継続

  ・運動の健康増進効果-臓器血流↑、骨格筋肉量↑、内臓脂肪量↓、酸化ストレス↓、慢性炎症↓、HDLコレステロール↑、中性脂肪↓、インスリン感受性↑

  ・知的活動の認知機能への効果-アタマ(頭脳)を使う趣味活動の実施数が多い人は総合的な「認知機能」が高い

   cf. 知的活動の例:読書、新聞、雑誌、映画鑑賞、芸術鑑賞、音楽鑑賞、動物飼育、書道、茶道、華道、詩吟、歌唱、朗読など

 

6.健康づくりは地域から

  ・ソーシャルキャピタル(社会資本)と寿命の研究-地域とのつながり、協力関係・信頼関係が人生を活性化する

  ・地域で社会環境を整備し、「健康つくり」「介護予防」「子育て支援」「防災活動」などを行う(川崎市藤沢市の取り組みの紹介)

 #人生100年 #フレイル #老年 #百寿者 #健康寿命 #新井康通 

www.city.chigasaki.kanagawa.jp

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講義が終わってー外はボタン雪が舞う